トンネルのエキスパートとして
地域ネットワーク構築の要を担う

~国道13号 福島西道路 浅川トンネル工事~

中核都市・福島市。
南北に横断する唯一の基幹道路の交通渋滞解消のため、今、新たな環状道路「福島西道路」の建設が進行中。
2023年3月には、その要ともいえる浅川トンネル建設がスタートし福田組はトンネル建設のエキスパートとして施工に力を発揮している。
岩盤を構造体の一部として利用するトンネルは、土木の中でも特殊な分野、一筋縄ではいかない、自然が相手の工事に挑む14名の声とは?

PROJECT MEMBER

  • 大道 康晴

    東北支店 土木部 工事担当

    1994年入社。工事所長。トンネル建設での所長経験は2本。最高責任者としてモノ・人・コストのすべてを統括。

  • 内山 定

    東北支店 土木部 工事担当

    1973年入社。工事長。福田組でトップクラスの「トンネルのマスター」。豊富な経験を活かし技術面で所長を支える。

  • 佐藤 聖将

    東北支店 土木部 工事担当

    2002年入社。工事副所長。現場の各種計測データの集計・管理、システム導入を担当し、データで進捗を把握。

  • 加藤 理

    東北支店 土木部 工事担当

    2011年入社。工事主任・現場代理人。入社以来ほぼトンネル建設に従事し、7本を経験。施工計画全体を立案。

  • 尾竹 篤

    東北支店 土木部 工事担当

    2011年入社。工事主任。トンネル建設経験は2本。8名のメンバーを率いて、インバート工事の施工管理を担当。

  • 髙橋 望

    東北支店 土木部 工事担当

    2019年入社。工事担当。トンネル建設は2本目。協力会社の監督・指導、掘削の施工管理に力を発揮。

  • 中村 洋介

    東北支店 土木部 工事担当

    2020年入社。トンネル建設工事経験は2本目。掘削、インバート工事に続き、この現場では覆工コンクリートを担当。

  • 飯塚 爽介

    東北支店 土木部 工事担当

    2023年入社。工事担当。初トンネル。規模の大きさに驚きながら、インバート工事の施工管理を勉強中。

  • 髙橋 隆史

    派遣社員

    工事担当。前職のゼネコン勤務時代に3本のトンネル建設を経験。掘削チームで施工管理をサポート。

  • 稲家 智也

    土木部 技術部 機電課 技術担当

    2020年入社。機電担当として2024年4月まで現場常駐し、機械・仮設備の計画・管理を担当。現在は現場支援を担う。

  • 小山 凜

    東北支店 土木部 工事担当

    2024年入社。工事担当。2か月間の新入社員研修を経て配属。伊藤と共に日誌作成や現場点検などを担当しつつ現場を学ぶ。

  • 伊藤 徹

    東北支店 土木部 工事担当

    2024年入社。工事担当。2か月間の新入社員研修を経て配属。小山と共に日誌作成や現場点検などを担当しつつ現場を学ぶ。

  • 神山 哲

    東北支店 管理部

    2014年入社。管理担当。工事に関する契約や書類の整理、損益管理などを通して、円滑な現場運営をサポート。

  • 若月 和人

    土木部 技術企画部(トンネル担当)

    1991年入社。技術面において現場を支援。発注者・設計コンサルタントとの協議にも参加。

※所属および掲載内容は2024年7月取材当時のものです。

国道をつなぐトンネルをつくり
福島の広域ネットワーク構築に貢献

福島市では国道4号線に交通が集中し、渋滞悪化や交通事故の増加、災害時の代替路不足などの問題が山積。そこで、新たな環状道路「福島西道路」を建設して課題解決を図る事業が決定。福島西道路の要となる浅川トンネル建設を任された福田組は、社内でもトンネル建設の経験豊富なエキスパートに現場を託した。岩盤を構造体の一部にするトンネルは、土木の中でも特殊で高い専門性と経験が必要な分野。時々刻々と変わる現場の状況にベテランも気が抜けない。

大道 康晴(工事所長):
浅川トンネルは全長1800mという規模に加えて、トンネルの上を県道が走り、民家も近いため、周囲の環境への影響を抑える必要もあり、難しさは自覚していました。しかし、着工してほどなく、想定外の事態で掘削方法を変更することになり、トンネル建設が一筋縄ではいかないことを実感しています。とはいえ、問題が起きても、社内の技術企画部、技術部の強力なバックアップ体制があり、この現場ではトンネルのエキスパートが技術面で支えてくれるので、速やかに善後策を講じられ、遅滞は最小限に抑えられそうです。工事はちょうど折り返し地点を迎えようとしています。今後も、工事所長として工事に関わる全ての人の安全面に気を配り、工事を統括していきます。

内山 定(工事長):
調査では不均質で軟弱な地質とされていたので、NATM工法に、変形や崩落の危険を防ぐインバート工事を組み合わせた施工を計画。ところが、100m掘削したところで硬い岩に当たり、機械から発破に掘削方法を変更しました。目に見えない岩盤を掘り進んでいくトンネル工事では想定外のことも起こります。そうしたときにも臨機応変に動けるように、また、多くの人たちが使う公共的な建造物を作り上げるやりがいを伝えられるように、私の経験や知識を後輩に伝えていかなければと思っています。福島西道路が完成したら、地域がどう変わったか、発展したか確かめに来たいですね。完成後が楽しみです。

佐藤 聖将(工事副所長):
土木分野の技術や機材は日々進歩し、各種計測データの把握や集計でも精度・スピードが格段にアップしました。たとえば、私が入社した頃は計測の翌日に届いていたデータが、今ではリアルタイムにオートで届きます。最新のテクノロジーや理論は積極的に学び使いこなすべきですが、モノづくりの根本にある「変わらないこと」をおろそかにしてはいけないと思っています。形ある大きなモノをつくるための計画立案力、それを着実にかなえていく実行力はこの仕事ではとても重要です。福田組では、専門性の高いトンネル建設を含め土木分野の守備範囲が広いので、多様な経験を積むことができます。成長志向のある人にはぴったりの環境だと思います。

若月 和人(技術担当):
本社の立場で山岳トンネル技術を主管しています。浅川トンネルは、地質構造の複雑さ・不確実さ、軟弱地山の存在により難易度の高い工事になると想定されており、有識者で構成される技術検討委員会への対応や各種技術的検討で関与しています。山岳トンネルは一般的な土木構造物とは設計思想が根本的に異なる点などを指して経験工学と呼ばれることがあります。施工時の地山挙動をもとに自らの技術的知見をふまえて総合的に状況判断し、修正設計しながら課題を解決していく場面はトンネル技術者として冥利に尽きます。一方で、経験工学という不確かな言葉は若手や女性の参画を躊躇させる要因であったと考えます。経験工学から脱却し、できる限り合理化していくことが今後の山岳トンネルをより魅力的なものにすると信じます。そのためにICTやAIをはじめとする昨今のイノベーションと山岳トンネル技術との融合に取り組んでいきます。

トンネル建設は経験工学
現場ごとに知識と経験が増える

自然を相手にする土木の中でも、山を掘削して内部に空間をつくるトンネル建設は、規模はもちろん、関わる作業員の数でも、専門性の高さでも群を抜く。さらに、日本に同じ山は一つとしてなく、完成までは気が抜けないと工事に関わる者は口をそろえる。だからこそ、現場を経験することで生きた知識や技術を身につけることができる。浅川トンネルでも、自ら学び、ベテランに影響を受け、成長している技術者たちがいる。

加藤 理(工事主任):
入社当時にトンネルの知識はありませんでしたが、7本の建設を経験する中で身につけ、浅川トンネルでは現場代理人として工程計画と工事全体の進行を管理しています。やろうという気持ちがあれば、福田組では研修の機会や資格取得制度もあるのでしっかりと学べます。同時に、現場で発生する様々な課題を経験し、解決することで、成長できます――ここが、トンネルは経験工学と呼ばれる所以です。トンネルの現場は原則24時間稼働で多くの作業員が出入りするので、引き継ぎや情報共有はとりわけ重要。みんなで一つのモノをつくりあげるのが好きなら、それも大きなものがいいなら、トンネルは面白いはずです。

尾竹 篤(工事主任):
浅川トンネルの現場には24年3月に参加し、トンネルの底面を逆アーチ形に掘ってコンクリート壁を設置するインバート工事の施工管理を担当しています。チームは、社員3名、作業員5名の8名です。ここはトンネル断面が大きくないので、限られた空間で複数のチームが作業しなければならず、その準備には特に気を配っています。自然を相手に、人の力で形や流れを変えて新しいものを作りだす仕事ですから、予定通りに進まなかったり不測の事態が発生するのも想定内。メンバーでできることを考え、まずは行動して、難局を乗り越えていきます。うまく動き出したときは感慨深く、それが土木の魅力だと感じています。

中村 洋介(工事担当):
新入社員でトンネル現場を3年間経験し、この度自身2本目の浅川トンネル工事に赴任しました。掘削・インバート工事の施工管理に携わりつつ、その後に取り掛かる覆工コンクリート及び坑門工の準備を進めています。トンネル工事は現場規模も大きく、従事する協力会社も多いため、1つのミスが大きな時間とお金の損失となります。そうならないためにも、日々現場を観察し、“違和感”を感じとり、先手を打つことが重要となります。苦労を掛けた分だけ報われる、非常にやりがいのある仕事だと思います。

ベテランに学び、刺激を受け
若手は現場で成長していく

福田組は、建設の現場にCIMやICTなどの先進技術を取り入れ、生産性と安全性の向上に努めている。トンネル建設でも同様だ。だが、どれだけ技術が進化しても、それを活かせる技術者がいなければ成果は出ない。特に、不確定要素が存在するトンネル建設では、ベテランの知恵や経験がものをいう。若手が多く参加している浅川トンネルの現場は、ベテランに学び、刺激を受け、成長につなげられる格好の場。こうして技術や経験が継承され、福田組の強みが形成されていく。

髙橋 望(工事担当):
トンネル建設は2本目です。今回はトンネル本体だけでなく連絡坑の施工もあり、掘削・発破・コンクリートの吹付けなど工事の種類も多く、覚えることがまだまだ多いです。関わる作業員も多く、それぞれが高い専門技術を持っているので、施工管理としてメンバーをまとめていくのも簡単なことではありません。キモはコミュニケーション力と段取り力。この現場ではトンネル建設のベテランが多いので、先輩方の行動を見て、うまくいかないときは相談しながら、スムーズに作業を進められるように日々努力しています。少しずつですが、自分ができることが増えてきていると実感しています。「髙橋になら任せられる」と言ってもらえるようになることが目標です。

飯塚 爽介(工事担当):
入社2年目で初めてのトンネルです。現場もヤードも大きく、重機も大きく、赴任当初は圧倒されました。担当しているインバート工事もそうですが、トンネルならではの工法や技術はなかなか経験できないことなので、この機会にしっかりと身につけたいと思っています。この現場には、「福田組でトンネルと言えばこの人」と言われる大ベテランがいて、専門的なことを教えてもらえるのもありがたいです。建設現場は厳しいというイメージを持たれがちですが、施工管理は実際に作業することはないので体力は使わないし、当社では「早く帰ろう」「きちんと休もう」が浸透しています。働きやすい環境だとアピールしたいくらいです。

髙橋 隆史(工事担当・派遣社員):
前職でもトンネル建設に関わったことがあり、今回で3本目になります。測量や掘削の技術が進んだとはいえ、自然の山を掘削するのでズレが生じることもあります。たとえわずかなズレでも貫通に影響を及ぼしてしまうため、「測量しては修正する」を繰り返し、精度を保ち続けなければならないので、トンネル建設はシビアな世界です。それでも、両サイドから掘削していって貫通し、まだ小さな貫通孔から向こう側の青空が見えたときの感動は忘れられず、ここでもまずは貫通を目指していきます。浅川トンネルが完成すると、地域がつながり人の行き来がスムーズになる――自分たちの仕事がコミュニティの形成に関わると思うとやりがいは大きいです。

想定外を乗り越えて
トンネル貫通へ現場は動き続ける

先の見えない中を掘っていくから、トンネル工事には「不確定」がつきもの。だからこそ、貫通した時の感動は、何本トンネルを経験しても格別だ――とトンネルのエキスパートは言う。2023年3月に始まった浅川トンネル建設工事でも、不測の事態で掘削方法の変更が余儀なくされた。しかし、ベテランと若手が連携し、経験や実績と先進技術を組み合わせて難題をクリア。地域の人々が切望してきた環状道路の重要なポイントであるトンネルをつくるため、貫通を目指して、今日も現場は動いている。土木の力で地域に貢献する、その使命を胸に。

PICKUP

仲間の理解とサポートで平日の運動会にも参加

入社以来12年間、ほぼトンネル建設に関わり、これまでは家族で転勤してきましたが、上の子の小学校入学を機に仙台に居を構えたので、浅川トンネルの現場が初の単身赴任になりました。それでも、毎週土日には帰省し、運動会などの学校行事が平日にある時には休みを取って参加しているので、家族と離れているとはそれほど感じていません。現場代理人としては長期の休みを取りづらいものがありますが、「この日は」というときは周りと調整して休みを取るようにしています。休みやすいのには、もちろん会社の方針や制度のおかげもありますが、現場のメンバーの理解や協力が大きいです。周囲がサポートしてくれれば、休みを取るハードルはぐっと低くなりますから。後輩たちにも「希望をどんどん言って」「遠慮するな」と伝えています。休みやすい=仕事に力を発揮できる、と考えているので、風通しのいい環境を作っていきたいです。

PROFILE

加藤 理東北支店 土木部 工事担当

2011年入社。浅川トンネル工事の工事主任・現場代理人として、工程計画と工事全体の進行管理を担う。過去にも7本のトンネル工事を経験。トンネル現場の所長になることを当面の目標に、知識と技術の習得に励む。

このプロジェクトについては、コーポレートサイトの FUKUDA JOURNAL もぜひご覧ください。

コーポレートサイト FUKUDA JOURNAL

工事概要

工事名 国道13号 浅川トンネル工事
場所 (起)福島市松川町浅川 ~ (終)福島市大森
工期 2023年3月31日~2025年9月10日
発注 国土交通省 東北地方整備局
設計・コンサルタント セントラルコンサルタント株式会社
概要 浅川トンネル(下り) L=1,767m
トンネル掘削延長 L=1,629m