文化と歴史、賑わいと防災––
多様な要素を持つ地域拠点を創る
~「イオンモール仙台上杉」建築工事(自社設計)~


宮城県仙台市青葉区。
かつて東北大学農学部雨宮キャンパスがあった広大な敷地に、新たな地域拠点が生まれようとしている。
ここは仙台駅から約2kmの都心周辺市街地。行政・大学・周辺住民を中心に、まちづくりの観点からキャンパス跡地利用の検討が重ねられ、医療施設・住宅施設・商業施設の3つを建設することになった。
このうち、商業施設「イオンモール仙台上杉」の設計施工を福田組が担当。2025(令和7)年秋の竣工に向けて工事を進めている。
PROJECT MEMBER
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佐藤 健二
東北支店 建築部 工事担当
1995年入社。工事所長。現場運営、工事管理、労働災害防止の責任者として当プロジェクトを統括する。
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敦賀 昌雄
東北支店 建築部 工事担当
1991年入社。工事副所長として、プロジェクト全体の現場管理全般を担当。若手社員の教育・指導も行う。
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堀川 学
東北支店 建築部 工事担当
2014年入社。工事副所長として、現場の運営管理を担う。2024年春より配属され、主に内装工事を担当。
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熊谷 洋
東北支店 建築部 工事担当
1998年入社。工事副所長として、現場の運営管理を担う。2024年春より配属され、主に建具の図面確認等を担当。
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大塚 奨太郎
東北支店 建築部 工事担当
2007年入社。工事副所長として、現場の運営管理、施主への提案・交渉などを担う。現在は主に外装を担当。
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塩谷 翔
東北支店 建築部 工事担当
2015年入社。工事主任。現在は主に躯体・外装工事を担当、施工計画をたてて工事を管理。若手社員の教育・指導も担う。
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逆瀬川 凌平
東北支店 建築部 工事担当
2017年入社。工事主任。現在は主に鉄骨・内装工事の管理を担当し、同工事に関わる若手の指導も行う。
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今 瑞希
東北支店 建築部 工事担当
2019年入社。工事担当。鉄骨・内装工事における各種検査や作業手順書の確認、工事写真の撮影などを担当。
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小関 啓太
東北支店 建築部 工事担当
2022年入社。工事担当。躯体・外装工事における各種検査や作業手順書の確認、工事写真の撮影などを担当。
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安藤 善章
東京本店 企画設計部 第二設計部
2010年入社。設計監理責任者。建築設計を主体としながら、構造・設備など設計全般を監理。
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田村 拓也
東京本店 企画設計部 第二設計部
2019年入社。意匠設計を担当し 、設計全般の設計監理補佐をする。
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猪股 幸司
安全環境・品質管理部(東北駐在)
1973年入社。安全担当として、現場の安全・品質に目を配る。協力会社への安全教育も担当。
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渡辺 勝
東北支店 営業部
1993年入社。営業担当として、プロジェクト当初から施主への提案・交渉に当たり、信頼関係の構築に努める。
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佐藤 大樹
東北支店 管理部
2018年入社。管理担当として、工事や宿舎の契約、請求書発行、損益報告などの業務を担う。
※所属および掲載内容は2024年11月取材当時のものです。
多くの実績で得た信頼を胸に、
チーム一丸となって進む
イオンモール株式会社様を始めとするイオン系列の商業施設のうち、福田組には新築工事だけでも35件(※)、その他活性化工事や追加工事を含めると188件(※)の施工実績がある。現場の福田組社員は、この多くの実績を通して培った信頼を胸に、今回の多様な要素を持つモールの建設に挑んでいる。また、今年2024(令和6)年に入り工事が佳境を迎え、応援要員が続々とこの地に参集した。所長の佐藤を中心にチーム一丸となり、安全で確実な歩みを進めている。
※いずれも2024(令和6)年11月現在の件数。
東北支店 建築部 工事担当 敦賀 昌雄(工事副所長):
今年6月から現場に配属され、配属期間は基本的に年内限定の予定です。私の主な役割は、年内に予定されている工程の工事進捗管理や品質管理などです。主任以下の若い社員とは違う目線での品質、工程、安全管理を主な仕事とし、躯体、外装工事を中心に現場を見てきましたが、佐藤所長の所員に対する指導方法や、働き方改革に対する取り組みなど、自身と違う点も多く、今後の自身の現場運営にも生かしたいと思う部分もありました。おそらく竣工に立合う事はできませんが、機会があれば竣工後に訪れ、地域の皆さまに利用され、賑わいのある環境を実感したいと思います。
東北支店 建築部 工事担当 熊谷 洋(工事副所長):
今年の春に現場担当者として配属され、今は主に内装工事の管理を担当しています。私がこれまで経験してきたマンション建設とは異なり、多種多様な工種が敷地内のあちこちで同時に展開され、状況把握の大変さを感じています。また、工事敷地内にイベントスペースを確保し、お子様連れのご家族を対象としたイベントを開くなど、イオンモール様が「地域の皆さまと共に」という姿勢を強く持たれていることも印象的でした。仙台在住の私自身、この先何年も使い続けるであろう施設の建設に携われていることを光栄に思います。
東北支店 建築部 工事担当 堀川 学(工事副所長):
今年の4月から現場に配属され、主に各種施工図、製作図のチェックを担当しています。設計図と施工図の整合がとれているかどうかの確認や設計変更にともなう施工図・製作図の修正指示等を行い、設計担当と連携して設計図、施工図、現場での相違が無いよう注意を払って業務にあたっています。このイオンモールは防災や交流の場など人々の拠点となる機能が備えられており、地域の方や建物を利用する方のことを深く考えられた建物です。竣工引き渡しに向けて現場が円滑に進む事に留意し、地域の皆さまへの配慮を忘れず工事を行い、完成を喜んでいたける建物を建設します。
東京本店 企画設計部 第二設計部 安藤善章(設計担当):
2024(令和6)年の1月頃に着任し、定年退職をした前任者からの確実な引き継ぎに努めました。特に設計担当者としては、物価高が続く昨今の情勢も影響し、予算面で当初の計画通りには難しい部分を、設計面の工夫で乗り越える努力を重ねました。テナント面積は施主の目標値を下回らないように延床面積を減らし、施工的なボリュームを抑える。法的な条件をクリアしつつ、避難階段、避難通路を減らす。このような「敷地を最大限活用する方法」を模索し、地域の皆さまが描かれた夢を実現できるよう取り組んでいます。この先も「このチームに任せて良かった」と言われるよう、社内・社外関係者全員のベクトルを合わせて進みます。
東京本店 企画設計部 第二設計部 田村拓也(設計担当):
2024年(令和6年)8月より、前物件から異動し、本物件の意匠設計を担当しています。主な業務として、法的要件の確認や納まりの検討、客先との打合せを行い、スーパーマーケットのテナントとりまとめに注力しています。 大型ショッピングセンターの設計監理としては2件目の取り組みとなります。まだ至らない点もありますが、地域に根付くイオンモールの実現を目指し、社内外の関係者と連携しながら全力を尽くしてまいります。
街並みに馴染む、
上質な外装を実現するために
当モールは、周辺の街並みに馴染む、文教地区にふさわしい出で立ちとなるよう、外装にも多くの工夫が施されている。そのため、一般的なショッピングモールに比べて外装材の種類も多く、施工も複雑。仕上げまでの工程を考慮した無駄のない仮設計画を立て、準備を進める必要があった。この特徴的な外装工事とその前段階の躯体工事を担当したのは、こちらの3人。特に副所長の大塚は、昨年2023(令和5)年夏の着工当初から関わり、工事の行く末を見届ける。
東北支店 建築部 工事担当 大塚 奨太郎(工事副所長):
私が着任したのは、昨年2023(令和5)年の7月。当初より、行政側との打合せにもイオンモール株式会社様と共に参加しています。この工事は再開発の一端を担っているため、行政との打合せも欠かせません。このような公共に関わる工事は私にとって初めての経験で、関係各所への連絡や許可取得方法など、大変勉強になりました。現在は来年春から始まる外構工事の準備と、外装工事の進捗管理に神経をとがらせています。この現場は、地域の方からの「完成を楽しみにしている」という声や、業界関係者の見学も多く、大変注目されている現場なのだと実感しています。商業施設は実際に利用されて初めて生命が宿るように思いますので、来年秋、多くの方々がここに集う日を楽しみに、安全第一で工事を進めてまいります。
東北支店 建築部 工事担当 塩谷 翔(工事主任):
2024(令和6)年5月に着任し、躯体工事の後半とその後の外装工事を担当しています。外装工事の部材は9月から各階へ搬入を開始する予定でしたが、躯体工事が完了していないと搬入できないため、躯体の進捗に応じた搬入計画の調整が必要でした。スムーズな搬入には当初の計画の台数では足りないと判断し、事前に荷取構台(にとりこうだい)を増やすなどの対策をとりました。また、今回のモールの外装は特徴的で、一般的な外壁の上に多種多様な装飾ルーバーを取り付けます。完成時には外装の下地も外から見えてしまうため気が抜けず、外壁を貼った後のことに留意して進めています。このような特徴的な外装工事に携わるのは初めてで、仮設計画の立て方などの準備段階を含め、学びの多い現場です。この先、外装をキッチリと仕上げ、来年の秋、ここでたくさんのお客様の笑顔が見られるように頑張ります。
東北支店 建築部 工事担当 小関 啓太(工事担当):
本体工事着工前の2023(令和6)年12月に着任したため、開発・基礎・地盤改良・鉄骨工事など、一連の流れを見ることができ大変勉強になりました。入社3年目、ここが3つ目の現場です。躯体工事に当たっては、塩谷さんにご指導いただきながら、コンクリートポンプ車の手配など、コンクリート打設関連の手配を初めて担当しました。打設は鉄骨工事が完了していないと実施できないため、工事の進捗を確かめつつ、手配の調整をかける必要があります。鉄骨工事は悪天候などによって遅れることがあるので、状況把握を欠かさず早めの判断と対応が必要なのだと学びました。状況が変化するたびに塩谷さんからアドバイスを受けて、対応を検討し、なんとかスムーズに進めることができました。ここでの学びを忘れず、今後別の現場では鉄骨工事にも携わってみたいです。
見せる鉄骨や屋内芝生広場…
チャレンジングな課題に果敢に取り組む
当モールのメインエントランス上部には、鉄骨が外観の一部として見える、いわゆる「見せる鉄骨」がある。また、内装についても要所要所にこだわりのデザインが用いられている。これらの特徴的な意匠や室内空間の実現は、施工を担当する福田組にとって、難しくも取り組み甲斐のある「チャレンジングな課題」。今まさに、2人の鉄骨・内装担当者が果敢に取り組んでいる。
東北支店 建築部 工事担当 逆瀬川 凌平(工事主任):
2024(令和6)年3月に着任し、隣接する仙台厚生病院との間の道路工事に携わった後、夏の本体工事着工時には鉄骨工事を担当しました。まず驚いたのが、メインエントランスの上部の鉄骨がむき出し(鉄骨+下地+金属の装飾)のデザインになっていること。このモールの顔とも言える部分ですので、美しい仕上がりになるよう、細心の注意を払って管理に当たりました。内装に関しても、特徴的な意匠がところどころに見られます。「どうすれば設計通りに施工できるか?」を考え、実際の部材を用いて現場で仮施工をして確かめ、事務所内で詳細を協議する…という流れで、スムーズに実装できるよう努めています。内装工事の進捗は、全体のまだ30%ほど。山場はこれからなので、鉄骨造の現場特有のスピードの速さについていけるよう、気を引き締めて業務に当たります。
東北支店 建築部 工事担当 今 瑞希(工事担当):
入社6年目にして、この現場で1つ夢が叶いました。…と言うのも、私が入社する前、高校生の時に、福田組が施工していた「イオンスタイル仙台卸町」の工事現場の見学に行き、「こんな風に多くの人が利用するものをつくる仕事、地元の活性化に貢献できる仕事がしたい!」と思い入社を希望したのです。鉄骨造の現場は今回が初めてで、進捗スピードの速さについていくことに必死な日々ですが、当時のことを思い返し、今こうやって「イオンモール仙台上杉」に携われていることをうれしく思います。慣れないことが多く、逆瀬川さんには常に気に掛けていただき、仮設材料の準備や写真撮影など、早め早めに動く必要があることを教えていただきました。今後も目の前の仕事をキチンとこなし、卸町のイオンのように、ご利用いただく皆さまが不自由無く楽しんでいただけるモールになるよう頑張ります。
地域の皆さまと共に
2025年秋のオープンへ向けて
現場の福田組社員の多くが肌で感じている、このモールに対する地域の皆さまの期待と、イオンモール株式会社様の地域貢献への想い。この両方を私たち福田組はしっかりと受け止め、地域の皆さまが描かれた夢を実現します。この先、オープンへ向けた大規模な外構工事も控えています。竣工予定の2025(令和7)年秋を、無事故・無災害で迎えられるよう、関係者一同気を引き締めて日々の業務に当たります。地域の皆さまと共に、「イオンモール仙台上杉」オープン日の賑わいを心待ちにしながら。
このプロジェクトについては、コーポレートサイトの FUKUDA JOURNAL もぜひご覧ください。
工事概要
工事名 | イオンモール仙台上杉 |
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場所 | 宮城県仙台市青葉区堤通雨宮町1-1 |
工期 | 2025年秋 |
発注 | イオンモール株式会社 |
設計 | 株式会社福田組 |
面積 | 総賃貸面積:約29,000㎡ 敷地面積:約33,000㎡ 延床面積:約75,000㎡(立体駐車場含む) |
構造 | 店舗棟:鉄骨造 地上4階建 立体駐車場棟:鉄骨造 地上6階建 |
東北支店 建築部 工事担当 佐藤 健二(工事所長):
行政・大学・周辺住民の皆さまを中心に、長い年月をかけてまとめ上げられた、この地の再開発計画。それは「地域の皆さまの夢」でもあります。この夢の実現に向け、イオンモール株式会社様が開発事業主となられたのが2013(平成25)年のこと。その後、医療施設と住宅施設の建設を完了され、いよいよ当社が担当する商業施設の建設となりました。現在の進捗としては、全工程のちょうど半分くらいのところです。「生活利便性の向上や賑わい創出」という、一般的なショッピングモールに求められる機能だけでなく、「この地に受け継がれてきた文化と歴史の継承」、「地域の防災拠点としての機能」など、さまざまな要素を持つこのモールですが、これまでの実績を通して当社が獲得してきた信頼を胸に、多くの所員がそれぞれの役割を果たすべく奮闘しています。また、所長の私としては、働き方改革も重要な課題のひとつです。技術伝承を含めた世代交代を促しつつ、新しい働き方をどう構築していくか、試行錯誤の日々が続いています。